アンネ・フランクと四つの小さなパン切れ

凄く久しぶりにアンネ・フランクという名前を見かけました。

新聞記事にアンネ・フランク一家をナチスに密告した人物が特定されたとありました。

私も一時期、あのホロコーストの関係する書籍をいろいろ読み込んだりしたものです。

知らずにいたらそれが良かったと思ったりもするけれど、目をそらしてはいけない事もある気がする。

密告した人物はそれが自分の家族を守るためだったという。

そんな時代だから仕方なかったのだろうと思う。

体験はしてないけれど、それこそ生きるのに今とは比べものにならない位必死だったはず。

そして、自分や家族を守ることがどれだけ大変だっただろうか。

人は優しいだけでは生き残れない、きっと遠慮や正直に生きていたらすぐに命を落としてしまう。

誰かを陥れたり、だましたり、何らかの卑怯と思われる形でも生き抜く強さがなければ生き残れなかった時代。

ビルケナウとか写真でしかみた事もない収容所。

「夜と霧」という映画は何度か見たけれどラストで生き残った人々の信じられない位やせ細った姿とか、決して気持ちがいいものではない。

でも見るべきものってあるのですよね。

生きてる間は知ることは大切。

四つの小さなパン切れ

かなり前に読んだ本。

アウシュビッツの収容所から生還した著書が語る当時の話が、物凄くリアルに心に響いたものでした。

とは言え、もう忘れかけていて題名も「四つ」「パン」と翻訳者が高橋さんと言う名前で検索してたどり着いたという情けなさです。

覚えているのは収容所に入った絶望感で筆者よりも年上の女性たちが、協力しあって自らの命を絶つ描写。

与えられた死じゃなく自由になるために死を選んだと思うと、胸がふさがれます。

そして何よりも、私はこの本で初めて翻訳を意識せずに読みふけることが出来たのが大きいのです。

外国の作家さんの本はどうしても、言い回しとか表現で一歩近づけていない感じがしていました。

この高橋さんの翻訳はそれを感じさせない、不思議にスルスルと心に入って響いて、驚いた位です。

https://pbs.twimg.com/media/FDlBGfXaMAAUX4j?format=jpg&name=large

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