今日と明日息子は仕事休みなので送迎はないが、お給料日なのでお小遣いで何かしら買う予定でいるらしい。
お天気も良くて気温が上がるようなので、太陽光くらいは浴びて来たいと思う。
冷血
昨日の午後は映画「冷血」を見て過ごした。
かなり古い映画で前から観たいと思っていたのだが、レンタルビデオ店の閉店で安く購入したDVDの1つだ。
実際にあった事件だそうで、何の罪もない農場主一家が2人組の強盗に殺害された事件を扱っている。
2人組の強盗のうちの1人が刑務所内で受刑仲間に聞いた話を鵜吞みにして、見ず知らずの農場主宅を襲う。
農場主の家に金庫があると聞いていたが実際には金庫などなく、犯人の1人は犯行のさなかにフラッシュバックを起こして一家4人を殺害にまで至ってしまう。
農場主を殺害した勢いで、縛り上げて身動き出来ない状態にしていた家族を次々と襲う犯人。
今の映画と違って殺害シーンや殺害された被害者を映さないのは気持ちが楽で想像もあまり及ばない。
当時の事件としては驚くべき犯行で誰に恨まれるでもなかった農場主一家に起こった悲劇に、小さな町が震え上がる。
結局、犯人たちの残した足跡や奪った小切手を使ったり車を盗んでの逃走で足がつき別件逮捕されて、農場主一家殺人事件の逮捕に至り死刑が確定する。
この映画が作られてから半世紀以上が経っている現在ではいわれのない殺人事件は当たり前に多くて、映画に描かれる事件そのものが珍しくないためか、事件は驚くまでにはならなかった。
けれど犯人2人が収監されて死刑執行になるシーンは臨場感があって、じっくりと見てしまった。
犯人はそれぞれが同じ日に刑を執行される。
首に巻かれるであろうロープが垂れ下がる刑場は一際高く舞台のように位置している。
そこに向かって刑務官に付き添われ階段を登って上がる受刑者。
刑の執行台にはすでに1人が立っており刑の執行を見届けるような役なのだろうか。
大勢の関係者の見上げる(見守る?)中での執行に驚く。
足元を紐で巻かれた後目隠しの黒い布で耳の辺りから顔下を覆い、ロープが頭から首に通されるとすぐさま足元が開き勢いよく体が揺れるのはとても印象的だった。
人間はそれから数十分だか心臓が止まるまで時間がかかるらしいけれど、ここまで映画で見たのは初めてかもしれない。
以前「デッドマンウォーキング」だったかという映画でも刑の執行シーンがあったと思うけれど、絞首刑でなく椅子に座らされていた気がする。
ただその映画の執行シーンでも向かい側に沢山の見学者というか被害者の遺族などもいたのか、大勢が座っているのが奇異に思えた。
「冷血」の少し前に観た「アルジェの戦い」では刑務所内で思想犯らしき人物が、刑務官に連れ出され監房の囚人たちに見える場所でギロチン台のようなもので処刑されていた。
「アルジェの戦い」の場合は見せしめの処刑のように思われるから、「冷血」の犯罪者が受けるような刑ではないと思うけれど。
「冷血」では刑が執行される前に犯人の片方が教誨師と思われる人物に、自白めいたものを告げるシーンがある。
窓の外では強い雨が降っていて、窓際に立ち告白する犯人の横顔に雨が映ってまるでハラハラと涙を流しているようでこのシーンは凄い演出だと思った。
子どもの頃の家庭環境がトラウマになっていて時として妄想癖が出たり犯行時にもパニックに陥ってしまい、実は犯行に積極的に及んだのがどこか気の弱いおとなし気な男の方だったことが分かった。
先に刑が執行された犯人の方がいかにも悪事を企み実行を率先したかのようでいて、本当はギリギリまで犯行を止めようと画策していたはずの男が惨劇を繰り広げたのだ。
子供時代の辛い思い出がパニックを起こすきっかけになるのと同じくらい、楽しかった思い出が大人になっても忘れられず思い出の中に生きているかのような男に同情する気持ちにもなる。
家庭環境はいつの時代も大事なんだと思うけれど、果たして自分はわが子にトラウマを持たせてないかというと自信はない。
死刑執行のシーンを考えていると永山則夫まで思い出して来た。
でも家庭環境だけで悪人になるとも言えなくて、そこのところは自身の持つ力で何とか人生を切り開いていくべきと思う。
永山則夫も4人くらい兄妹がいたと思うし、「冷血」の家庭環境に難があった犯人も4人兄妹だった共通点はあるけれど他の兄弟は犯罪行為に至ってはいないのだし。
考えさせられる映画だからもう1回くらい観ないと分かったようで分かっていないと思う。
ブックオフと本屋さん
今日は風がやたら強い。
お給料が入った息子に付き合ってブックオフと本屋さんに行って来た。
ブックオフでは特に何も買わなかったけれど、本屋さんで葉真中顕さんの新刊「鼓動」を見つけて即購入した。
「ロストケア」」と「絶叫」と最近では「Blue」と葉真中顕さんの本にハズレなしと思っている。
早く読みたいが読んだら終わってしまうから、それに読みかけの赤松利市さんの「らんちう」もある。
葉真中顕さんの本も赤松利市さんの本も好きな分野で、大切に読みたいけれど夢中になって先を急ぎそうな気もする。
ご飯もよく噛んで食べないと消化に悪いし、加齢で気管に入ることもある。
本も大事によくかみしめて消化したいものだ。
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