朝から湿気があるようでこの後雨の予報だし、息子を送ってから歩けるかは微妙だ。
雨なら車の中でやることを準備して、気晴らし用の読みかけの本も持って出掛けるつもりでいる。
鼻水もくしゃみも花粉情報が低いこんな日の方が症状が強い気がする。
そう言いながらまだ耳鼻科を受診してはいないが、受診するなら息子も一緒に罹りたいと思って様子を見ている。
これから気温が高めになるらしいから、出来たら症状が治まって受診せずに済んだらいいと目論んでいるがどうなるか。
気持ちが沈んでいる時や怒りがじわじわとこみあげそうな時、見るとホッとするブログやYouTubeがあるだけで気持ちが和む。
今日は朝から天気が悪くなることが分かっているから、歩けなくても自分で自分のテンションを上げる必要がある。
自分に使える自由な時間をうまく使っていきたい。
読書三昧
やらなきゃならない仕事も車に積んで行ったのに蓋を開けて見れば、読みかけの本を一気読みして終わった。
歌野晶午さんの「葉桜の季節に君を想うということ」を読み切った。
「なんでも屋」として依頼を受けた仕事をこなす主人公が自殺を試みた女性を助けたことから恋愛関係に陥るが、その女性の周りには怪しげな保険金詐欺を企む悪徳業者がいた。
主人公は果敢に悪徳商法で犠牲者を増やす人間たちに挑むのだが、てっきり若い血気盛んな年代の主人公だとばかり思いながら前半は読み進めていた。
なので前半の印象と後半で明かされる事実に驚いて、これはもう1回最初から読まなきゃいけない気になる。
自分はいつから騙されたのか、というか思い込みをしてしまうような要素が上手く入れられているのかと思う。
それか最近は本を読んでいて出て来る登場人物の名前に「あれ、この人は誰だっけ?」と思うことが多いからそれだけ理解が出来なくなっているのか怪しんでいる。
何でも脳梗塞を理由にしては反則だが、どうしても「誰だっけ?」⇒「そうだ、この人は○○だ」と思い出すのに時間を要する。
多分脳梗塞が原因というよりは加齢が進んだ老化現象なのだろう。
けれど後半に来て主人公の気持ちが凄く分かる気がして、いい話だなぁと思った。
年齢を重ねて次第に出来ないことが増えて行って、当然衰えは自身が一番自覚するのだがそんな衰えを好奇心に代えて挑む主人公。
その気概が若くて年齢を感じさせないし、いつの時も20代のような気持ちは分かる気がする。
自分にしても若くはないことは分かっているつもりなのに、気持ちは外見とは違っている。
だから鏡の中の初老の自分をなるべく凝視したくないのかもしれない。
60代になったら60代なりの考え方があると思っていたが、そんな年代ごとの気持ちなんてないと知るのだ。
「葉桜の季節に君を想うということ」を手に取るまではミステリーだとしか思わなかったが、読み終えてみたられっきとした恋愛小説だった。
それも上手く騙された感が強く、後味は良い終わり方でスッキリした。
今の自分が読むのにベストなタイミングだったと思うのだ。
ポジティブで勇猛果敢な若い頃の武勇伝といい、素敵に年齢を重ねて来たのがわかる魅力的な主人公だ。
話の中にはヤクザ社会に潜入して殺人事件を解決する場面がある。
その際に明智小五郎とか小林少年などといった言葉が出てくるのだから、そんなところに時代背景のヒントがあったと読み終えてから思うところだ。
覚醒剤をコンドームに入れて飲み込んで隠して、排出しては横流しするとか映画で見たような事件でもあったような話だが主人公は見事に解決する。
悪徳商法で高齢者を手玉に取り、保険金を掛けて殺害までしてしまう恐ろしい組織に昔問題になった豊田商事を思い出した。
豊田商事がまで保険金詐欺を手掛けたかは知らないが高齢者に強引な手法で勧誘をしていた結果、豊田商事の会長はメディアの眼前で殺害され当時の報道は今でも記憶している。
これだけ高齢化社会になれば高齢者をターゲットに欺くのが商売になってしまうのは、昔以上に多いだろう。
悪徳業者が主人公に向かって高齢者を欺く行為を正当化する、今の時代もそういった業者がいると思う。
お金を持っている高齢者が現金を手放さないと、景気は良くならないと言い切っていた悪徳業者の社長の弁。
今の時代でも悪徳商法とまで行かなくても何の役にも立たないが、気の持ちようで役に立っているように思って買うものもあると思う。
確かにお金は持っている人は持っているのだろう。
お金は何に使うか人に寄って価値あるものは違う。
そこそこのお金で幸せを味わえていて、それ以上の高望みをせずに満足出来たらいい。
「葉桜の季節に君を想うということ」という題名からしてロマンティックなのだが、前半は全くそんな雰囲気の展開ではなかった。
前半だけでももう1度読み直してみようと思う。
スルスルサクサクと読める本を自分が手にすることは、これからあるだろうか。
自分の読解力にどこか不安を感じている最近、次の本を探してみようか、それとも買い置きしている藤崎翔さんを読むべきか迷うところだ。
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